欧州連合(EU)の大統領にあたるコスタ首脳会議常任議長は14日、中国の習近平国家主席と電話会談した。トランプ氏の米大統領就任を目前に、習氏は「中国と欧州には根本的な対立などはなく、相互に成功を収められるパートナーだ」と述べ、欧州との関係修復を図る姿勢を示した。
EUは昨年、中国製電気自動車(EV)の価格が中国政府の補助金によって不当に抑えられているとし、最大35・3%の追加関税を導入した。これに反発した中国は世界貿易機関(WTO)に提訴。EU域内で作られたブランデーに「保証金」を課すなど、関税合戦の様相を見せていた。
ただ20日に就任式を控えている米国のトランプ次期大統領は、全ての中国製品に60%の関税を課すと主張。米中対立の悪化が見込まれており、中国側には、欧州とは関係を修復しておきたいとの思惑がある。
一方のコスタ氏は「競争よりも協力が望ましいという点に合意したものの、公平な競争条件を確保し、貿易や経済の不均衡を是正する必要がある」と従来の主張を改めて強調した。